grandcanyon2
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樹氷の並ぶ山道を次第に下り、見渡す限りの荒野を一直線に地平線に向かう道路を走っていると時々沿道に7,8軒の店の集落が現れる。 日用品店、ガソリンスタンド、ドライブイン等の集まりで、「50mile NO FOOD」(あと50マイル食事するところはありません)などと書いた大看板が立ててあったりする。 後でなにかで読んだ話ではこのルート66号線はたしか西部開拓時代に作られたとかの古い道路で、いまは当然拡幅されたり、バイパス道路ができたりしているが、所々、脇道のような形で古い道が残っておりそこへ入ると昔、幌馬車が走っていた時代の名残が残っているところがあるそうである。 |
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大陸を走っていると乾燥するためよくのどが渇く、このルートのどの辺だったかわからないが、飲み物を買うため、こうした集落のある日用品店のまえに車を止め、妻を車に残して和彦とある店に入っている間に事件は起こった。 妻が後から車をおりてくるときにキイーを車にしめこんでしまったのである。勿論、妻は車のキイーが運転席に残されていることは知らずに自動ロックのドアをしめたのであるが、これに気づいた瞬間、この宿もない荒野でどうすればいいのか、今日の日程は大幅変更もやむなしと思った。 |
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ところが、和彦がすぐ隣のガソリンスタンドの人に事情を話すと、どこかへ電話してくれ、5分くらいで専門の修理屋が車でやってきて、あっという間に解錠され一件落着となったが、車の通りもまばらな、この砂漠でとても予想できないあっけない結果だった。ちなみにこの料金は確か5ドルであったと思う。 道は次第に暗くなり、100キロくらい前方の山からの対向車のヘッドライトが夕闇のなかを一直線に見えるフリーウエイを走ってラスベガスに到着し、7:15発のアメリカンウエスト航空で素晴らしい夜景のロサンゼルスへ8:17に到着。 |